- 第二十八回
ヴェネツィア−水の都−
パート3:沈みゆく都市ヴェネツィア
「ヴェネツィアとその潟」
はい、ヴェネツィアパート3は「沈みゆく都ヴェネツィア」ってテーマでお届けしましょう!!
では、みなさん。
まずは、「地盤沈下」って知ってます?
これ、日本でも結構深刻な環境問題となってるんですよ。
その「地盤沈下」が「水上都市ヴェネツィア」を襲っている・・。
1日にヴェネツィアに訪れる観光客は、約6万人。
(ちなみにいの町人口は2万5千人ほどです・・・。)
この問題、ヴェネチア市民だけの問題じゃないんですよ。
〜ではまずは、「地盤沈下」について・・。〜
地盤沈下:その名の通り、地盤の沈下・・。
一度沈下すると元には戻らない不可逆性がある。
そして、その原因は様々です。
自然現象が原因であったり人的な要因であったり。
地盤の沈下は、広域にわたるものと土木工事などが要因によっておこる局所的なものがあります。
我々は、生活をするため、様々なものをつくります。
その時に使われる工事用水、農業用水などの地下水の過剰な汲み上げや、鉱山の坑道掘削などが、要因となることが多いのです。
そして、局所的に起こる沈下現象・・。
こちらは、その土地自体が弱い地盤であり、その地域に建築物が構築されることで起こる沈下。
2011・3・11の東北地方を襲った大地震。
それにより、岩手県、宮城県、福島県などの太平洋沿岸で多くの地盤沈下が起こったそうです。
〜ここからは、ヴェネチア問題〜
こちらはかなり深刻です。
何せヴェネツィア・・水の上にある市街地ですから。
お気付きかと思いますが、つまり、都市が、水の下に消えていくということに直面しているのです。
ヴェネツィアというのは、海の上にできた水上都市。
ですから、水の影響をもろに受けるのです。
つまり、それは、町全体の劣化を意味するわけです。
どういうことかというと、水の建物に対する浸食作用です。
「沈みゆく都市ヴェネツィア」・・それは、単に水の底に沈むというだけの意味ではないのです。
そもそも、ヴェネツィアという町は、古代、敵軍から逃れるために湿地帯にやってきた人々によって、造られた町。
なので、海抜は低く地面が浸水しやすいのです。
多い年は、年間80回くらいの浸水があったそうです。
ヴェネツィアは、11月から3月にかけて吹く風「シロッコ」による影響を受けます。
この「シロッコ」によって運ばれた海水が、波となってヴェネツィアの街に襲いかかるのです。
そして、水面の上昇を促す・・。
この「シロッコ」がもたらす高潮によっておこる被害を「アクア・アルタ」といいます。
アクア・アルタによって、町はいたるところで、水につかるのですが。
だから、ヴェネツィアには、水面上昇を予測し、それを知らせるためのサイレンがあるそうです。
また、ヴェネツィア市民のほとんどの方が建物の二階以上のところを生活の場として暮らしているそうです。
しかし、商店などは多くが一階にあるため、アクア・アルタが来ると被害は免れないようです。
また、近年の地球温暖化が海面上昇を促し、地下水のくみ上げによっておこる「地盤沈下」でヴェネツィアの街はますます、海面に近づいて危機的状況に陥っているのです。
この海面上昇と土地の沈下により、ヴェネツィアの街は沈んでいると、いわれているのです。
また、ヴェネツィアの観光都市としての人気も街の劣化に追い打ちをかけているようです。
どういうことかというと、水上バスや、ゴンドラなどの船です。
観光客の乗る船によってできる波が、ヴェネツィアの建物に当たり、、アクア・アルタの被害や、長年の浸水被害で傷んだ部分に当たり、さらにダメージを加えているのです。
これにより、建物の修理費がかさみ、ヴェネツィアの街を出る市民もいるようです。
世界的に魅力な街の直面する都市問題。
我々は、ただ、美しいイメージを持ちヴェネツィアを目指していますが、実は、とても深刻な問題を抱えていたのですよ。
みなさんはどう思いましたかね?
環境問題・・地球温暖化や、地盤沈下。
テン子さん的には、今回のコラムほど環境問題を身近に感じたことは、なかったように思います。
しかし、ヴェネツィア市民の方たちは、もっと実感してるんじゃないでしょうか・・。
水上都市っていうのは、ヴェネツィア以外にもまだまだたくさんあるようですよ。
では、次回のコラムも、こうご期待!!
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