- オニさんと豆まき。
節分の日には、豆まきをします。
そして「焼嗅がし(やいかがし)」というものを家の軒下に飾るのです。
・・ところで。
みなさん、豆まきをする意味ご存知ですか?
(まあ、知ってると思いますが・・一応。おさらい?)
と、いうわけで。
「豆をまいて、鬼をはらう。」と、いうのが、豆まき。
一般的なまめまきは、「オニは外」といいながら、鬼に向かって豆を投げつける。
そして、「フクは内」といいながら家の中に豆をまく。
そもそもどうして、「豆をまいて鬼をはらう」のかということですよね・・。
そ、それはですね、「2月3日は節分ですね。」にも書きましたが、もともとは中国にあった文化です。
それが日本に入ってきて、民衆の間に定着していった・・そういう流れがあるのです。
■ 豆まきをする理由■
「節分」は、「立春」の前日を指し、この「立春」というのは、季節の始まりの日を指すのですが・・。
つまり、「立春」を新春とし、節分に「豆をまいて鬼を追い払う」ということをすることで、新春に向けて、邪気や冬の寒さを追いはらうという意味が込められてあるんです。
昔は、災害や病は鬼の仕業だとされていたため、災厄を祓い除け新しい春を迎えるための儀式として、豆をまいたのです。
「豆」・・・みなさん、なぜ撒くものが「豆(場所によっては落花生を撒くらしいです)」なのかご存知ですか?
昔の人たちは、「豆」の中に穀物の霊が宿っていて、その霊力が悪霊(魔)を滅すると考えていました。
また「豆」は、「魔(ま)」の「目(め)」に「豆」をぶつけることで「魔(ま)」を「滅(め)」するという願いも込められているのです。
すごいでしょ・・。
■豆まき作法。■
では、ここでおさらいしておきましょう!
豆まきだって、ちゃんと決まりごとがあるのですよ。
そう、まずは、「豆」についてですかね。
「福豆」っていいます、この節分で撒く豆のことをね。
この「福豆」、大豆を炒って作るのですが、この「炒る」という行為に意味があるのです。
「豆を炒る」・・つまり、「魔目(まめ)を射る(いる)」に通ずるのです。
そして、ばらまかれ落ちた豆から悪い芽が出ないようにという意味でも豆を炒っておくのだそうです。
また、豆を炒るのには、鬼を封じ込めるという意味も来れられており、その豆を食べて、鬼を退治するということになるそうです。
次に、鬼の面をかぶって鬼の役をする人。
この人も、決まっております。
一家の主、もしくは年男、年女、厄年の人とされています。
そして、豆まきが終わったら、福豆を食べます。
これは、その年一年間の無病息災を願い、自分の年の数+1個の数の豆を食べるのです。
そうすることで、体が丈夫になり、風邪もひきにくくなるといわれています。
■焼嗅がし(やいかがし)。■
節分に飾る飾りもののことです。
節分には、玄関にひいらぎに焼いたイワシの頭を指したものをつけます。
やっぱり、これも、鬼・・つまり、邪気や病魔などの魔よけのための道具です。
鬼は、ひいらぎの棘と、イワシの匂いが苦手なのです。
また、地域によってはニンニクやねぎ、髪の毛などを焼いたものを吊るしておく処もあるようです。
この「焼嗅がし」ですが、もともとは、悪臭を放ち、鳥獣を追い払うためのものとして利用されていた物が、節分の厄祓いに応用された、ということです。
■鬼の正体って?■
昔の人は、病魔や、災厄を鬼の仕業として、厄払いをしていました。
しかし、世の中には日向と日蔭があるように、物事も、陰と陽で成り立っていると考えられています。
だから、日ごろ我々の身の回りにも実は鬼が潜んでいて、スキを見せるとその鬼が現れる。
思い当たるフシがありませんか?
「朝起きなきゃいけないけど、もう少し寝ちゃおう!」とか、「お使いのお釣りでお菓子買っちゃおう・・。」とか。
こういう、誘惑っていうの・・?
心に潜む甘い言葉で我々をほんろうする・・オニ。
「福豆」を食べるという行為は、そういう心の中にいて、善良な心を荒らしまわる鬼をやっつけて追い出す・・という意味もあるそうです。
■オニ・・。■
もともと中国の風習であった追儺(鬼やらい)が日本に入ってきて、今のような形になった豆まきですが、鬼はどこからやってくるのか知ってますか?
鬼だって、いきなり、家の外に立ってるわけではない!!
そう、鬼は、牛寅の時刻に「鬼門」とよばれるところからやってくるようです。
鬼門は北東(牛寅の方角)にあるとされていて、・・なので、昔の人は鬼を牛と寅であらわすようになったそうです。
■各地のオニさん、いろいろ・・。■
我々の考える一般的な節分は「オニは外」で「フクは内」・・。
しかし、こちらもお正月行事などと同様に地域によって色がちがいます。
たとえば、豆を撒く時の掛け声・・。
報恩寺(千葉県長南町)で行われる豆まき行事は、「福は内、鬼も内、鬼の目玉ぶっとばせ!!」という、気迫のあふれる楽しいものです。
「鬼は内・・」という掛け声をするところはこの地域の他にもあり、鬼が神様の使いとして、敬われているところもあります。
また、中尊寺(岩手県平泉町)では、力士を迎え、厄男厄女による厄払いの招福を祈るそうです。
そして、岩戸寺(大分県国東市)では、鬼は、ご先祖様が姿を変えたものとされていて、節分はご先祖様と会う日になるようです。
・・まあ、こんな感じでまとめてみましたがなかなか中身が濃い文化ですね、日本て国も・・。
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