- お月見。
〜お月見・十五夜”の説明をするわよ。
(テン子がやれって言ったのよ・・。)〜
まあいいわ。
テーマとしては、申し分ないわね。
月にも劣らない、美しい私の講義よ。
聞きなさい。
十五夜。
あなたたち、何をイメージするかしら。
お月さま、お団子、ススキ・・。
十五夜には、満月を眺めながら、お団子とススキを買って、ついでに、お団子泥棒を隠れてまつ・・・。
(泥棒を待つ・・?どういう教育してるのかしら、人間って・・。まったく、なってないわね。
(書いてあるから、ここに・・・伝えるしかないのよ。)
こんなところかしら?
でもね、最近は、あまり、家庭でのお月見っていう行事?
そういうのは、あまり行われなくなったみたい・・(テン子はそう感じてるみたい)。
でも、各地に行けば、まだまだ十五夜を祝うお祭りが残ってるの。
そういうわけで、ここでは、私キンギョが、”お月見・十五夜”の講義をするわ。
旧暦の8月15日。
新暦で言えば、9月の中旬ね。
お月見の風習は、もともとは、中国の唐の時代が始まりとされています。
中国では、党の時代から旧暦の8月15日の夜、満月を眺める”中秋節”っていうのを行っていたのよ。
それが、やがて日本に伝わるの。
奈良時代や平安時代の貴族たちは、この時期・・つまり、旧暦の8月15日に見える月が美しいので、この中国の風習を取り入れた宴が催されるようにそうです。
そこでは、詩を読み、音楽を奏でて、お月見が華やかに行われていたそうです。
(・・・雅な、平安貴族たち。私にぴったりな世界ね・・。)
そして、庶民たちの間でも、月を神として崇めていたの。
秋に収穫したもの・・サトイモを、そなえて一年の豊作を祝い感謝をしていたのです。
また、十五夜は、芋の収穫もかねているの。
だから”芋名月”と言ったりしているのです。
中秋・・これはね、旧暦の秋(7月・8月・9月にあたる月)
の”真ん中にあたる日”を指した言葉なのよ。
そして、旧暦の8月15日に出てくるお月さまは、一年でも最も美しい月とされたのです。
なので、「中秋の名月」と呼ばれるようになったそうです。
収穫したお米で、団子を作り、収穫したサトイモや、栗、豆、柿などをお供えする。
そして、この日には、子どもたちが忍び込んでお団子を盗んでいくのです。
この日だけは、お団子を盗んでも見逃してもらえるのです。
(?!)
(ぶ、文化的に盗みを促してたの・・この行事って。理解できないわね・・。)
ススキ・・・。
果物、野菜・・・。
お団子。
ふう・・。
準備が、大変ね、この行事も・・。
〜お供え物にも意味があるみたい・・。〜
月見だんご:三方の上に白いお団子をのせるの。
このお団子は、満月を模してるそうよ。
15個のせる場合と、12個のせる場合があるわ。
15という数は、十五夜にちなんでいて、
12という数は、一年間の月の数・・・。
つまり、1月から12月のこと。
その12か月間にちなんだ数なのよ。
あとは、収穫への感謝と健康を祈って食べるのよ。
ススキ:ススキを飾るのは、月の神様が下りてきたときの
依代としての意味があるわ。
もともとは稲穂が神様の依代として
添えられていたんだけど、なかったのよ、稲穂。
なかったから、稲穂の代わりに、
ススキを添えるようになったそうよ。
月餅:中国のお菓子ね。
これもお供えのお菓子として、お供えされたりするのよ。
月をかたどったまるい、中にあんの入ったお菓子よ。
〜ここからは、各地に残るお月見行事を紹介するわよ。〜
・大覚寺 観月の夕べ(京都市)
・唐招堤寺 観月讃仏会(奈良県)
開祖、鑑真和上を奉安する御影堂の庭園が特別解放され和上とともに名月を愛でる法要を行っているの。
・そらよい (鹿児島県知覧町)
「火とばし」・「十五夜踊り」などの十五夜行事が行われている。
・十五夜踊り (宮崎県西都市)
長崎から伝わったという踊りです。
・与板十五夜まつり (新潟県与板町)
3台の屋台が100人もの人たちによって都野神社の境内に奉納されるそうです。
・世論十五夜踊り(鹿児島県与論町)
・・・・・・へぇ。けっこうはやってんじゃないの、お月見行事って。
テン子の調査不足ね・・・。
ホント、なってないわね。
・・・・・・・・・・・・・・・。
(それにしても・・これ、もうちょっと他にあるでしょ・・・。)
文:キンギョ・テン子
監修:テン子
九月の行事の部屋へBACK。
歳時記部屋へBACK!