水にっき。

  • 第15回 もう一つの存在。


  • ここでは、わたし、キンギョが詠ったオリジナルのポエムをご覧いただけます。

    トップ画面

    もう一つの存在。


    あの人もそうだった。
    私のことは後回し。
    だから決めた・・。

    だからは私一人でいることを選んだ。
    その時あいつが私の背中を支えてくれたのかもしれない。

    あいつはいつの間にかそこにいた。
    ずっと前から当たり前のように、そこにいたかのように。

    あの子は言う。

    あの人が他の子にとられるのが・・さみしい。
    だったら私は一人でいることにしよう・・。
    その方が、さみしくない。

    なのに・・・。
    あの人は、私のそんな気持ち・・これっぽっちも考えなかったのかな。


    あの子の目はまっすぐ”あの人”を見ているのに。
    それなのに、全てを受け入れたかのようにそのさみしさを身体中にまとわりつかせて、”あの人”を突き放した。

    時々頭の中に浮かび上がってくるこの聲は
    ボクの見ているもう一つの世界。

    あの子の記憶の端っこにいるボクというピース。  



    ”さみしかったら一人になればいいよ・・。”
    そう聞こえたあの瞬間から、あの子はあいつの存在をその身に纏う。


    あの子の頭の中に浮かび上がるボクの聲は、今もあの子を支配する。

    みず部屋へもどるわ。
    sample site sample site
    2016年10月5日