水にっき。

  • 第17回 帰り道。


  • ここでは、わたし、キンギョが詠ったオリジナルのポエムをご覧いただけます。

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    帰り道。


    日が落ちていく。

    遠くの空から何が聞こえる?

    山の向こうに何が見える?

    青い空に日が差して
    白い影が生命を宿す。

    山影の上にできた白い影は
    あっというまに闇の黒い海に侵されていく。

    遠くに見える手の届かない大空は
    うす暗い夕闇にのまれて

    あの子を包む大きな山影は
    つめたいかぜと共に夜の入り口にあの子の体をそっと誘う。


    遠くの空。

    かすかに光る白い影。


    このまま落ちていきたい

    やさしいかぜにつつまれて

    何もないまっ白な世界へ

    つめたいかぜが体を包む

    このまま溶けていきたい

    ここには私の意識をさまたげているモノは何もない



    意識だけが時間を刻む。


    今日も明日も同じ風景

    同じ空の違った模様


    空はいつも
    遠い上の方からあの子をみている。

    あの子の足はぺダルを踏んで
    あの子を乗せた自転車が帰り路をゆく。

    みず部屋へもどるわ。
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    2016年10月6日