キンギョのぽえむよ。 ネコのにっきや。 2016年10月9日 第20回 あのひとあのひ。 ここでは、わたし、キンギョが詠ったオリジナルのポエムをご覧いただけます。 あのひとあのひ。 ”ムスッ”とした顔で、何かを考えている。 あの人は、あの日、少女だった。 そんな顔して自分の世界の中にいる そんな彼女を、あの子はいつもみていた。 そんな彼女が好きだった。 あの日、あの人は少女だった。 あの人の顔はまたかすんで、記憶のずっと向こうへ消えていく。 いつでもそうだ。 あいつも、あの人も、みんな・・。 あの子の望むものは いつだって あの子のつかめそうでつかめないところにあるんだ。 あの子の気持ちなんかおかまいなしで その罪のない無邪気な笑顔をあの子に向けてくる。 おこれないじゃないか・・。 あのこと、あのひと。 あいつも、あの人も、みんな・・。 あの子の手からするりと滑り落ちてしまったんだ。 いつだって だまって、遠くに流れていくのを見てるしかなかったんだ。 あの子のほほをつたうシズクは そっと あの子のキオクを洗い流していく。