ないてん井戸端会議11
ないてん1話〜10話
ないてん11話〜20話
ないてん21話〜30話
ないてん31話〜40話
ないてん41話〜50話
ないてん51話〜60話
ないてん61話〜70話
ないてん71話〜80話
ないてん81話〜90話
ないてん91話〜100話
ないてん101話〜110話
ないてん111話〜120話
ないてん121話〜130話
ないてん131話〜140話
ないてん141話〜150話
ないてん151話〜160話
ないてん161話〜170話
ないてん171話〜180話
ないてん181話〜190話
ないてん191話〜200話
ないてん第101話
厳極秘書類製品企画書事例案。こぼれ話
「よし、準備はできた。」
バナナさんとワタクシはバナナさんの愛車に乗りある所へと向かいます。
みなさん。
覚えておられますでしょうか?
先月のこと・・。
我々”ないてん”はとある組織の方たち、二人のおナスさんずと共に会社の経営に関するお勉強会を行っておりました。(ないてん第90話 厳極秘書類製品企画書事例案。完結編 )
実はこのお勉強会・・。
ちょいとした、”極秘みっしょん”を担っておりましてね・・・。
ええ、”極秘みっしょん”なので、内容は明かせませんが、ここでは、今後のこの”ないてん”の”大大大大大ぷろじぇくと”の評価の一端にかかわっておる・・とだけ申しておきましょう!
我々は、去年の夏ごろから、数か月間おナスさんずをお招きしてあれやこれやと経営についてのお勉強会を重ねてきました。
そして、本日(2月26日現在)いよいよそのお勉強会の集大成、ともいうべきお勉強の成果お披露目発表の日。
県、センター、大学、金融機関など、関係各社の方々の前でこの数か月間の取り組みの成果の報告のようなことをするのです。
発表内容は、・・”極秘”です。
が、ちょっとだけ申しますと、我々の自己紹介から始まり、事業概要、取り組み、分析などあれやこれやと発表します。
ふふ・・。
結構本格的に公の場での発表でございます。
とまあ、そのような内容を発表をして、我々の会社がどのようなことをしてきて、どのような成果を出したかというようなことを見ていただくのです。
会場に着くと、おナスさんの一人が我々を出迎えてくれました。
開場20分前入りなのです。
おナスさんは、発表で気を付けることなどを説明してくださり、そのあと何やらバナナさんと世間話をしておりました。
我々は自分たちの番が来るのをしばらく待っておりました。
そろそろ、予定の時間かな・・。
なにやら扉の向こう側でざわざわと聞こえたかと思うと、会場の扉が開き、スーツにリュックを背負った方と、手にカバンを持った方が出てきました。
うむ・・・なんか、ひょろい人たちだな・・。
おそらく、あの2人が、我々の前の発表者なのでしょうな。
・・・どんな仕事をしておられるのかな?
スーツを着ていたし、それにきちんとした感じの人たちだ・・。
いや、発表の場なのだからきちんとしているのは当たり前か・・。
我々と同じ製造業だろうか・・?
それとも、ベンチャー企業か何かかな・・?
そんなことを思っていると、女性の職員の方が声を上げ、そして、ついに内外典具帖紙が呼ばれました。
中に入るとたくさんの県やらセンターの各社関係機関の偉い方たちが長テーブルを前に座って待っておられました。
なんというか・・これは。
一斉にこちらを見ておる、各社関係機関の方々・・。
なんか、我々悪いことした?・・的な感覚に陥りそうになります。
しかしね、そんなことでひるんではいられないのだ!
我々に与えられた時間は5分間。
その間に、我々の会社をアピールいたします。
その際には、我々ないてんを数か月間にわたりご指導してくださったおナスのお二人が、我々の発表のサポートをしてくれます。
不肖ワタクシテン子!
この度、この発表の場で、なんと、この成果報告の文章を読ませていただくという大役を預かりまして、みごと、各社関係機関のみなさまの前で読み上げさせていただきました。
ここ数日間のバナナさんとの打ち合わせ、読み合わせ、読み上げの特訓の成果、ここにて発揮できたのではないでしょうか!!
しっかりした言葉で(ほどんど)噛まずに文面を読み上げることができました!
やはりね、大勢の偉い方々の前での発表というのはこれまでにない、ある種の程よい緊張感があり良い刺激となりました。
またね、この数か月間、幾度となく我がないてんにお越しくださりお勉強のお手伝いいただいた2人のおナスさんずにも大変感謝いたしております。
もっと、表に出ていかねば。
そして、もっと世の中を知らねば。
帰りのバナナさんの運転する車の中でイヤホンを耳に当て音楽を聴いているワタクシは気持ちが少し高揚しておりました。
ふう・・。
一仕事終えました。
表に出て、プレゼンをするというのは、なんと、心の高ぶることか・・。
ウメ氏事務所訪問(ないてん第94話 動け!ないてん事業部。)の時にせよ、今回のこの公での発表にせよ、思うことはやはり、ワタクシはこのような表に立って何かをプレゼンすることが向いているのではないかということです。
緊張感はないとは言いません。
しかし、緊張感が高揚感に変わっているといいますか。
そのせいか、あまり、緊張を感じないといいましょうか。
なんというか、楽しい・・・。
高鳴る、高鳴る!!
この魂が高く鳴っておるのだ!!
そうだ!!
これだ、この感じ・・・。
この気持ちの高ぶり・・・
なんとも、気持ちいい!!!
まあね、今回のこの体験はとても良い刺激となりました。
そしてね、ないてんに帰ればまた、戦いが待っております。
いつものように、溜まった注文を一つ一つ仕上げていく。
世の中はめまぐるしく変わるといわれますが、我々の業界、いつ明日が無くなるかもわからない。
毎日毎日、我々はねじを回し続けなければならないのです。
2019.3.19
ないてん第102話
不揃いのわれせんべい。
バナナさん:お仏壇におせんべいがあるきね、食べやね。
それから、私にも1枚くらいとってきて。
テン子:・・・・・。
バナナさんはお菓子が好きです。
しょっちゅう持ってきては休憩中に食べております。
時には、お弁当を買いに行くメロンさんに頼んで適当にお菓子を買ってきてもらったりしております。
そしてね、今回のようにね、時々、テン子さんにも、ちょこっとおすそ分けしてくれるのです。
さてさて・・・。
ワタクシは、ウキウキしながらとあるところに置かれてある例のお仏壇のもとへと向かいます。
あった、あった。
黒いお仏壇の台の上。
おせんべいの入った袋が口をちょこっと開けて、お供えされてあります。
・・バナナさん。
食ったのか?
そのおせんべいの袋を手に取ってみると、これは・・。
形も大きさもばらばらで、割れたのやら小さいのやら曲がったのやら、いろいろな種類のおせんべいがごったになって入っています。
そう、どうやら、このおせんべいは今巷で水面下の人気を博しておる”ふぞろい”というやつのお徳用袋ではないか?
ワタクシは割れたせんべいを1〜2枚取り出し紙で包んで、そして、バナナさんのデスクにそれを置き仕事に戻りました。
ジリリリリ・・・・。
お昼休憩を知らせるベルが鳴ります。
よし、お昼だ。
そうそう、バナナさんのせんべい。
あれを頂かなくては。
そう思い、再びお仏壇のもとへ向かいます。
ありました。
ありましたよ。
いやぁ・・。
心をホクホクさせますな、なんといいますか・・。
休憩時間のおやつタイムと昼寝タイムは別格ですね。
それではさっそく・・・。
ワタクシは袋の中のせんべいを1枚手で掴み、そのままお口へ。
ぱくり。
・・ふふ、予想どおり。
うまいな・・。
ではではもう1枚。
ぱくりと。
・・・やはり、うまい。
なんだろう、この素朴な甘さ。
お口の中でふやかされたせんべいの、じわじわとくる柔らかな食感。
気づけば2枚3枚と、手が勝手に袋の中のおせんべいを掴んでいる。
”われたせんべい”。
ふと思い出します。
「じょうとう!」
いつか・・スイカさんが言っていたっけな。
そう、あれはですね・・。
以前にね、テン子さんが訳ありスイーツをお取り寄せしたことがありましてね。
(ネット販売で売られていた不ぞろいロールケーキをないてんメンバーにおすそ分けしたのさ。なんか、あれって、見てるとついつい欲しくなるんだよね。)
で、ボタン”っぴ”って押して買っちゃったわけですよ。
まあその時のことなんですけどね。
スイカさんにも「ふぞろいで形悪いけど」ってロールケーキを持っていったら。
「これでじょうとう!おいしい。」
そう言ってスイカさんはうれしそうに手にしたロールケーキを食べていたのだ。
そのことが頭の中にちらちら”ふらっしゅばっく”します。
袋から、もう1枚形の崩れたおせんべいを取り、それを見ながら思います。
確かにうまいのだ。
われせんべいだろうと、不ぞろいのロールケーキだろうと、形が崩れているってだけで味は上等品。
しかし、やはり、形も大事だという人もいます。
ゴディバなんかの高級チョコレートは見た目も美しいですからな。
それに、去年の暮れに会社からお歳暮で頂いた「くらづくり本舗」の”べにあかくん”はうまかったなぁ。
きれいにデザインされた包装紙に包まれて、見た目もおいしそうなのだ。
食は見た目も大事っていうのも一理ある!!
そうそれに、テン子さんだって中古車より新車に憧れますし。
たとえ、その中古車が欠陥部分がなかったとしても、新車の完成品はとても魅力的です。
でも、スイーツは形はあまり気にならないな、テン子さん的には。
とくに、海苔巻きなんかは、むしろ、ごてごてした端っこのほうが食欲をそそるのだ。
海苔巻きの端っこから出ている、キュウリとか海鮮とか卵なんかがとても、うまそうに見えるのだ。
そして、ロールケーキやチョコレートなんかが形が壊れているものを食べる楽しさを味わうのが好きだな。
なぜかは分からないが、・・・?
形がバラバラで違っているというのが楽しいんだろうか?
つまり、・・・こういうことか?
検証してみる。
いい例を挙げると、古着じゃなかろうか。
ワタクシには、古着の良さは分かりませんが、あれは、一度はだれかに着られて新たな主人を探している放浪服。
その後ろ姿に何かの哀愁でも出ているのだろうか・・?
でも、その服の歩んできた道があるよな。
とにかく、そういった服やワインなんかには”びんてーじ”といわれる極上品があるくらいだから・・。
・・・・・・・・・・・・ん?
”びんてーじ”?・・・なんだそれは?
調べてみると、”びんてーじ”ではなく”ヴィンテージ”・・・らしい。
というわけで、”ヴィンテージ”で検索かけてみると、どうやら、古着とは違うらしい。
服や、ワインで使われているこの”ヴィンテージ”という言葉には「今でも十分に通用する価値の高い年代物」という意味があるらしい・・。
それを言うなら、アンティークなんかもそうだよね。
ああいうのは、使い込まれているところに魅力があるのかな・・?
まあ、つまり、こういうことだろうか?
古いものにしろ、新しいものにしろ手にした人がどこにその魅力を見出しているのかということだろうな・・。
そう、そしてワタクシテン子は、この壊れたせんべいを口の中にもそもそさせて口の中いっぱいにして頬張るのが好きなのさ。
うむ、やはり、不ぞろいは見て楽しい、食って楽しい。
そして、何より、お得感があってまたまたがっつりうまいのだ!!
なんか、今回のテン子の画。
デジャブ感満載なんだが・・・。
もちょい、構図を考えて画作成すればよかったかな。
これみてると、・・・かりんとうを思い出す。
2019.3.19
ないてん第103話
”くりえいてぃぶ”に、”いのべーてぃぶ”に。
みなさん。
”クラウドファンディング”というものをご存知でしょうか?
簡単に言うと、クリエイターの資金源です。
ちょっと簡単すぎましたかね。
例えばあなたが、何かを作りたいぞ!!
と、思いますよね。
でもね・・・たいていの場合、これが一番の問題になる。
”まにー”
そう、お金です!!
お金が無いぞ!!!
でも、ご安心を。
我々が、その資金調達のお手伝いをいたしましょう!!
と、手を上げてくださる会社がございましてね、その方たちが、「”クラウドファンディング”というシステムを活用して、あなたの資金調達を当サイトにて募ってみてはいかがですか?」と持ち掛けてくださるのです。
要するに、何かを作りたいがお金が無いのでインターネット上でまず、自分たちの作りたいものの製品を見てもらう。
それを面白いと思った方々が寄付金をだす。
その寄付金を元手に商品を生産する。
そして、お金を出してくれた方には、”リターン”という”お礼”つまり、返礼品を製品やらなんやらかんやらのサービスという形でお返しをするという、システムでございます。
うむ・・株やふるさと納税に似てますね。(株についてはそんなに知らないですが・・)
まあ、今、そういう資金集めのシステムが巷に出回っていて、一般人から芸能人まで、いろいろな人が、これを利用し、製品やらサービスやらをこのシステムを利用して売っているのです。
このシステム、リンゴさんによると5〜6年ほど前からあるらしい・・とのことです。
先日、(・・だいぶ前の話ですが。)我がないてんにも銀行さんのご紹介で一人の”えーじぇんと”がいらっしゃいました・・。
なんや、なんや・・。
ワタクシも少々、気になりましたので、バナナさんや、スイカさんに混じってお話を聞かせていただくことにいたしました。
これも、世の中の流れを知るためのお勉強の一環です。
えーじぇんとは、今巷では、クラウドファンディングを利用して様々なアイデア商品を気軽にインターネット上で販売している・・というようなことを説明しておりました。
利用者は、「何かを作りたいがお金が無いぞ!」という方が主です。
芸能人、伝統工芸、アニメ制作会社、モノづくりに携わる職人、様々な人たちが利用をしている・・。
上手くいけば、ローリスク、ハイリターンなシステムでございます。
このシステムは・・
・・・よく考えたよな。
クラウドファンディング・・・。
アイデア次第で、誰でもお金の稼げる世が今、ここにきているのを実感いたしました。
我々企業というのは銀行さんからのご融資やら、国からの補助金のような援助をいただいて会社を経営していくのが常です。
昔はお金がなければ物を作ることができませんでした。
だから、家や会社を担保にしてお金を借りたりして資金を集めていました。
しかし、今は、クラウドファンディングのようなものを利用し、もっと手軽に資金調達ができる方法がある・・。
ある意味、恐ろしい世の中です。
手軽ということは、落とし穴があるというのが世の常です。
今は、企画を担保に顧客から資金を募り製品を世に出すことのできる時代になったのです。
つまり、クリエイティブな人ほどお金を集めやすい時代だということです。
AIにしろ、クラウドファンディングにしろ、人間というのは本当に恐ろしい生き物です。
誰もかれもが、どんどん新しいシステムを開拓していく。
クラウドファンディングは、世の中の金の流れの道をもう一つ、作ってしまいました。
それは、ビットコインなどの電子マネーに見られるように少々危険な道のようにも思えますが。
ネット上での金の流れ。
どんどん、新しい金の流れる道ができていく。
そして、テン子さんはこの時代の流れのスピードに乗ろうか乗るまいかと、ただいま、模索中です。
なぜって・・。
だって、この速いスピードに乗ったところで、すぐに新しいモノへと入れ替わっていくのです。
そんなものにいちいち合わせて変えていったところで、ただ、自分がその流れに振り回されているに過ぎないような気がするのです。
しかしね・・。
今までは、斜に構えて、生意気に見送っていましたが・・ここで引かないのが今年のテン子です。
この流れ、なんとしてもぶった切ってワタクシこの時代の中にしっかりと爪痕残さなければ・・。
負けてらんないですよね。
真似しようとすら思わないレベルのイノベーションを続けろ
スティーブ・ジョブズ
おそらく、みんながそう思ってイノベーションを起こそうとしている。
同じ頭じゃダメなんだ!
同じイマジネーションじゃダメなんだ!
我々だって
負けてらんないんだぁあああああああああ!!
2019.3.25
ないてん第104話
こうぞ観察日記2。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
テン子さんは相変わらず、あれやこれやとあわただしい日々を送っております。
さてさて、この回がアップされるのはいつになりますかな・・。(この記事を書いているのは2月下旬現在でございます。)
そうそう、ところでみなさま覚えていらっしゃいますでしょうか。
(みなまは「ないてん井戸端会議」を1話からお読みくださっている・・ということ前提で書いておりますので。)
第88話の「ないてん第88話 こうぞ観察日記。」(覚えてない方はもう一度復習することをお勧めいたしマス。)
以前にも、お話したとおり、我がないてん工場の敷地内には、こうぞの苗が受けてあります。
そう!!
で、観察日記。
書いてみようじゃないか!
ということで、ワタクシこの1か月ほど、こうぞを観察しておりました。
・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
しかし・・・これは?
一向に変わらないような・・。
背丈もそんなに伸びているように思えないし。
いや、でもほんとは伸びているのかも。
しまった・・。
背丈、測ってなかった・・。
それに、・・・・・花は?
花が咲くのではなかったっけ?
いや、花どころか、葉っぱすらついていないぞ・・。
あれ?
これでは観察日記にならないではないか・・。
いや、そもそも、こうぞの成長スピードは遅いのか?
ここでまたまた、ぐぐりました。
どうやら、こうぞというのは、4月から5月ごろに花が咲くらしい・・。
そして、6月に実をつける。
なので、今はまだ時期ではないようです。
・・なんだよ。
まだなのかい。
こうぞ・・。
もう少し気長に観察を続ける必要がありそうです。
ということで、現在の我がないてんのこうぞちゃんです。
只今、3月末なんだがね・・。
2月の時点からなんも変わっとらんではないか・・。
おいおい、もうじき4月ですぞ・・。
こうぞちゃんよ、おまえはちゃんと、葉っぱとか花とか実とかつけるつもりがあるのか?
2019.3.26
ないてん第105話
お茶目なイチゴさんのはなし。
みなさま、今年もやってまいりました。
毎年恒例、我が”ないてん一斉楮皮はぎ”の時期でございます。(過去年表こちら、ないてん第75話楮の皮はぎ。)
この間から、ちらちらふれておりましたが、我々ないてんは、楮の自家栽培を行っております。
・・そう。
我々が、今の新工場に移転してからはや、4年目。
こちらに移ってから何かと忙しい日々を送っておりますが、その間に、いつの間にか土地を借り、リンゴさん主動による”楮の自家栽培で和紙製造計画”が立ち上げられておるという・・。
(うむ・・テン子さんが寝ている間にもいろんなところでないてんは動いておるのだ・・・。)
というわけで、今年で3回目のこうぞの処理作業がここ数日行われているのです。
とりあえず、楮下処理のあらまし〜。
1.まず、育った楮の刈り取り作業がありまして、それを適当な量を束ね蒸し器で蒸します。
2.そして、蒸した楮の皮をはぎますね。
3.はいだ皮はカピカピになるまで天日干しでございます。
ここまでが、楮の下処理でございます。
このカピカピになった楮を煮たり、水にさらしたりして、徐々に、白い繊維になっていき和紙の原料として生まれ変わっていくのであります。
こちらが皮はぎの様子です。
まあ、例年の如くないてんメンバー全員で皮はぎの処理をしておりました。
テン子:イチゴさんて、、釣り好きなんですよね。
イチゴさんは少し恥ずかしそうふふ、っと笑って言いました。
イチゴさん:・・・ええ?
ふふふ、うん、まあねぇ。
主人が好きやったきねぇ。
テン子:川釣りですか?
夫婦で同じ趣味っていいですね。
イチゴさん:海やねぇ。
船、置いちょってね。
テン子:へー(船持ち・・、本格的に好きなんだ。)
何が釣れます?
イチゴさん:うーん。
最近はフグが悪さをするねぇ。
メロンさん:チヌやろ。
チヌが釣れんかや?
テン子:う(うお?!メロンさんが入ってきた・・・。)
イチゴさん:うーん、チヌはねぇ・・。
メロンさん:チヌやないかや?
メロンさんはチヌチヌといっておるが、・・魚に詳しいのか?
いや、あの人の場合、単に話に入ってきたいだけだろうな。
チヌ・・・?
はて?どんな魚や?
というわけで、調べてみました。
チヌ・・クロダイ。
日本では、”チヌ”という別名でも呼ばれている。
タイ科に分類される魚の一種で、東アジア沿岸域に分布する大型魚で、食用や、釣りの対象として人気がある。
・・・東アジアに、分布する?
東アジア・・・モンゴル高原中国大陸、朝鮮半島、台湾列島、日本列島などを含む。
(以上、ウィキペディア調べでした。)
なるほど・・・。
東アジアって、広大だよね・・。
チヌって、こんな広範囲にわたって生息分布してるんだ・・。
なんかすごいよな。
行動範囲が広いのか?
イチゴさん:フグばっかりかかるねぇ・・。
テン子:へー。
イチゴさんは、フグがかかるフグがかかると何回も言っている。
そうとうフグがかかって、うっとうしかったんだろうな・・。
そういえば、イチゴさん、車の中にいろいろな釣り道具を常備しているらしい。
いつぞやに、リンゴさんがそんなことを言っておったな。
イチゴさん、結構ファンキーです。
バイクにも乗るらしいし、音楽も聞くみたいだし。
これ全部、リンゴさん情報です。
リンゴさんめ、テン子さんの知らないところでイチゴさんとプライベートなことをわちゃわちゃ話す間柄になっているとは・・。
イチゴさん、バラエティーが好きだったり、テレビも結構よく見ているみたいで、テン子さんより、情報通なとこあるのよね。
いつもは、黙々と仕事をしているイチゴさん。
いきなり、声をかけると、きょどるし・・。
ちょいとかわいいところもあるイチゴさん。
しかしそれにしても・・意外とイチゴさんって多趣味だよな・・。
2019.4.2
ないてん第106話
栄光のおまんじゅう。
以前にもご紹介しましたが、我々ないてん、自社のオリジナル製品いくつか製造販売をさせていただいております。
(こちらをご覧ください、ないてん第81話店舗販売。)
この中に写真を載せてございますが・・。
この写真の中にですね、写経用紙が写ってございますね。(みなさんはきっちり見ていただいているという前提でおはなし進めて居りますゆえ・・)
そう、この写経用紙を発売するという企画が持ち上がった際にですね、ワタクシ、とある重要な任務をいただきましてね。
”みっしょん”。
「写経用紙の付録として付ける、写経解説書を制作せよ!」
ええ・・・。
あれは、2017年の5月ごろだったでしょうかね・・。
バナナさん:写経用紙を販売することになったき、写経のなんか・・・解説みたいなのを書いてくれん?
それを写経用紙につけて売ろうと思おて。
そんなことを、バナナさんに言われ・・。
テン子:っはぁ?!(写経の解説を書けと申されますか?あんた、写経ですぞ!子供のつかいみたいなノリでおっしゃいますが、そんな簡単にできるもんなら人生悩んだりせんわ・・。)
バナナさん:じゃあ書いちょって〜
と、まあ、こんな感じの軽いノリで写経解説書づくりに取り掛かることになったわけです。
・・・・・仕方ないので、とりあえず、やるか・・。
しかし・・・。
これは、どこから入っていいのやら・・。
途方に暮れ、とにもかくにも、写経の般若心境を一から調べ上げましたね。
まず、ネットで検索をかけまくり、いくつもの般若心境の解説文をルーズリーフに書き写し。
スイカさんから、初心者用写経入門セットの付録解説書を参考に難しい用語を調べ上げ・・。
般若心境の解説を読み・・。
般若心境の全文を書き、さらに、般若心境の全文の意味を丸写しをしました。
まあ、般若心境の難しいことといったら・・・。
ええ、めっちゃ難しいですね!!
そんなこんなで、書き上げるのに、軽く3か月かかりましてね、10月末くらいでしょうかね、ようやく解説書らしく2枚の用紙にまとめ上げるに至った次第でございます。
内容は、まず、般若心境の大まかな意味ともいえるべき、般若心境に描かれている世界観です。
そして、般若心境に出てくる”智慧”の意味を解いたものを載せてございます。
さらに、般若心境に出てくるもう一つのキーワードとして、“縁”を取り上げ解説を載せてあります。
何度も申しますが、くどいようではございますが、はっきし言って、めちゃめちゃムズカシイデス。
しかし、般若心境の意味するところはある一点に集約することができます。
つまりそれは、般若心境の言わんとするところとは・・・。
自分を俯瞰せよ、さすれば、自ずと生や死を受け入れることができるぞよ・・的なことだと、ワタクシはそう理解いたしました!!
なんか、・・今この解説書を改めて読んでみましても、なぜこんな物が書けたのかと、不思議でもありますが・・。
難しいのは・・・。
そう、般若心境とは、そのある一点をいろんな方向から見ておるのでそれを精神論でどのようにうまく拾い上げるのか・・というところが難解なところだとワタクシは感じました。
こちらが、ワタクシが製作いたしました、般若心境解説書でございます。
実は、この解説書、あるお寺の住職さんのお知恵も借り制作したものなのです。
というのも、・・・。
ワタクシ、数か月かけて調べ上げ2枚ほどの般若心境解説書を作ったわけですが、それをそのまま世に送り出す自信がございませんでした。
”餅は餅屋”というわけで、専門家に一回答え合わせをしていただこう・・となり、アポを取り竹林寺というお寺の住職さんのところに持っていったわけです。
やはりね、ど素人がいきなり解説書みたいな物を書いてしまったのでね、ええまったく自信の欠片もございませんよ。
というわけでして・・。
とりあえず、採点していただき、直すところは直し、しっかりとした人にお墨付きをいただかなければ・・。
間違っていたことを書いていて、どっかの審査機構みたいなところに見つかって訴えられたりなんかしたらシャレにならんですからな・・。
というわけで、バナナさんの車でブルルンと、竹林寺までひとっ走りしてきたわけですね。
竹林寺は、高知市の五台山というところにある・・お山の上にあるお寺です。
車で頂上あたりまで登りますとちょっとした観光地にもなっておる場所のようで、売店なんかもございます。
駐車場に車を止め、そして、お寺に向かいました。
ちょっと歩いて、階段を登ったような、登らなかったような・・・登りましたね、ええ思い出しましたよ。
古くなった柱のどっしりとした門をくぐり、お寺の敷地内に入りました。
受付ではおばさんが立っており、訪問のいきさつなどを話し、アポを取っていることを申しますとすぐにお寺の中へ通してくださいました。
中に入ると、畳の広間があり、廊下を歩いて、奥の座敷へと案内されました。
そして、そこで住職さんがいらっしゃるのを待っておりますと、案内してくださったおばさんはお茶と、お菓子をだしてくれました。
お茶をひとすすり・・・。
暖かくて、ほっとするお味だったように記憶しております。(・・空覚えですが。)
お茶菓子におまんじゅう・・・。
これは、高知県では有名なとある老舗お菓子店が出しておるおまんじゅう。
こしあんを包んであるふわりとした食感の白い生地。
まろやかで優しい甘さのあるワタクシの口にもなじみ深いおまんじゅうなのです。
・・た、食べたい。
しかし、ここはガマン・・・。
おまんじゅう、こういうの困るんだよなぁ・・・。
だってさ、
・・・・・
どのタイミングで頂いていいか分からなくないですか?
住職さんがお見えになる前に包み紙だけ残すのはなんとなく・・。
かといって、お見えになってお話されてる最中に食すのも、話の腰を折るのではないか・・とか。
うーむ・・。
テン子さんこう見えて”でりけーと”な悩み多き若者なのだ。
というわけで、いろいろ一人で悩んでおりますと、住職さんいらっしゃいました。
我々が、内外典具帖紙という和紙を作っている会社の人間であるというようなことを話し、というか、バナナさんはここの住職さんとお知り合いだったようで(以前にもお世話になったらしい・・・)、話はトントンと進み、軽い挨拶などを済ませ、いよいよ本題です。
例の、今回の訪問目的でもある、あの”般若心境解説書”を取り出し、さっそく、見ていただきました。
住職さんは黙ってスラスラと読み始めました。
そして、読み終わると、ワタクシの書いた原本の解説書について、たくさんのことをおっしゃってくださいました。
住職さん:いや、良く調べてあります。
般若心境について書かれてある冊子はたくさん売られてありますが、あまり良いモノが多くありません。
ここまでよく理解して、書かれてあるのは素晴らしいです。
テン子:・・ははあ。
たくさん調べました。
結構時間かかりましたし・・。
こんなもので良いモノかと心配しております。
住職さんのはっきりとしたお褒めの言葉に感激し、ワタクシは、少々恐縮してしまいました。
・・・・・・・・・・・・・・・・。
のほほほほほほほほほほほ!
いやいや、みなさん。
すみませんね、もうね、鼻も伸びる伸びる。
これはもう、有頂天になっても仕方がない!!
ワタクシの頑張りが、お褒めのお言葉をいただくという結果に出たようです。
解説書を読んだ後、和尚さんは、いろいろなアドバイスをくださいました。
そのなかのひとつが、”一階から見える風景と四階から見える風景の違い”から般若心境の真髄に迫るヒントです。
それを、ワタクシに、解説書に書いて乗せてみてはどうか・・というご鞭撻をいただいたのです。
そのようないきさつがあり、当初書いていた般若心境の解説にプラスし、この「一階から見える風景と四階から見える世界」というタイトルで般若心境をイメージで開設したものを加えさせていただいた次第です。
いやはいや、和尚さんに褒められるというのは・・少々、恥ずかし嬉って感じですかね。
いや、だってねぇ。
お坊さんといえば、大昔から、徳が高い!!
とても、恐縮な思いです。
そして、少々、鼻が高い思いです。(いえ、ウソです。鼻、めっちゃ高いです。)
そして、とても、とても、・・・ほほほほほほほほほほほほほほ!!!
それから、30〜40分ほどお話させていただいて、ワタクシたちはお寺を後にしました。
おまんじゅうは結局食べる機会を逃してしまいましたので、お持ち帰りさせていただきました。
帰りに、駐車場の近くにあった売店でソフトクリームをいただきました。
とても甘くてひんやりして、美味しかったです。
その日は雨が降っていたように思います。
冷たい雨のぱらぱらという音と、秋口だったでしょうか。
バナナさんと食べたソフトクリームは、雨の冷たさと共に記憶しております。
そして、車の中で、この日あったこと振り返りました。
ワタクシの頭の中では、和尚さんに褒められたことがぐるぐる回っておったのです。
ソフトクリームを食べたのにもかかわらず、口の中が、甘いものを求めます。
そう、あのいただいてきたおまんじゅう。
ワタクシは、おまんじゅうの包み紙を開けると半分に割り、ぱくりと口に入れました。
あの食べなれたおまんじゅうのまろやかで優しい甘さが口の中に広がります。
おまんじゅうをいただきながら、ワタクシの頭の中では再び和尚さんの嬉しそうな顔が現れ、”素晴らしい”の言葉が響きます。
その数日後、ワタクシは和尚さんにアドバイスいただいた、「一回から見える風景と、四階から見える風景」の文面を加え書き直したものを作成し、再び、竹林寺の和尚さんにお送りしました。
すると、・・・なんと!!
一週間ほどたったころでしょうか。
和尚さんからの一通のハガキが届いたのです。
そこにはこのようなことが書かれてありました。
「この度は、心経につき十分なお話もできずしつれいしました。・・・・・難解な般若心境の内容を十分かみ砕きご覧になる方に十分理解いただける素晴らしい収容です。・・・・云々」
こちら、バナナさんに解読いただきました。
年の功といおうか、おそらく、達筆すぎるバナナさんだからこそ、和尚さんの達筆な文面を読むことができたのでしょうな。
なんと、お腰の低い敬意の払われたおハガキか・・。
和尚さんにこのように遜っていただかれますと、はぁ・・いやはややはり、お坊さんとは人間ができているとつくづく感じます。
ではでは、お見せいたしましょう。
こちらがそのハガキです。
わざわざおハガキでお褒めくださった・・。
とても感激です。
ワタクシにとってお坊さんにお褒めの言葉をいただくということは、表彰されているのと同じくらいの勲章もの!
この一枚のハガキは、ワタクシにとって、勲章のメダルなのです。
そして、あの時、車の中で食べたあのおまんじゅうを思い出します。
おまんじゅうを食べながらワタクシは何度も何度も和尚さんの嬉しそうに話される顔を思い出した・・・。
和尚さんに頂いたお褒めのお言葉、ワタクシの魂にきっちりと記されておりますよ!!
追記:
ワタクシ、お坊さんという職業の方がたが、一番偉いと思っております。
しかし、今回お邪魔して般若心経の考え方の助言をいただきました。
竹林寺のくり和尚さんは、誠に丁寧で頭の良い方であったと思います。
物事の考え方、物の見方が大きいといいましょうか・・。
「受け入れる器の深さ」そのようなものを感じました。
せっかくくださったおハガキが達筆で読めなかったという事が、情けないというか、申し訳ないというか・・・。
ええ、まったくもって修行が足りませぬこと深く身に染み入りました。(2019.4.21)
追記の追記:「おまんじゅう、こういうの困るんだよなぁ・・・。」と書きましたが・・
もちろんお茶菓子を出していただけるのは大大大歓迎でございます。
なので、ぜひ、・・・その辺のところ、よろしくお願いいたします。(2019.4.21)
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ないてん第107話
栄光の般若心境。
前回の「ないてん第106話 栄光のおまんじゅう。」にてワタクシの製作しました写経解説書の全文を、今回、ネット初公開いたします。
ぜひぜひご覧ください。
<写経を始めてみませんか?>
気持ちをリラックスさせ、日常の生活の疲れをリセットしましょう。
写経、字を映すというその単純な行為が心を元の状態に戻すということで、始める方もいます。
脳が活性化したり、集中力がつきやすくなるなどの効果が認められているそうです。
まずは字を写すことから始めてみてはいかがでしょうか?
<一階から見る風景、四階から見える世界>
例えば、我々は一階に住んでいる住人であるとします。
一階の窓から何が見えるでしょう?車、花壇の花、道を歩いていく人。
二階に上がって見てみましょう。二階の窓から何が見えますか?塀の向こう側の家の二階の窓が見えます。電線にとまっている小鳥が見えます。
さらに三階に上がっていきますと、家々の屋根が下に広がっています。
そして四階に上がった我々が見る世界、町全体が縮図として、目に映るのではないでしょうか。
つまり、階を上に移すごとに我々の目に映る世界が変わっていくのです。
それは子供の時に見えていたものと、大人になってから見るのとでは違って見えるように、我々が成長するのにしたがって、未知への階段を上っているのです。
見える世界が広がり、物事を様々な観点から判断することができるようになるのです。
般若心境を”観る”ということは、物事をあらゆる視点から覗くことにとても通じています。
<般若心境に描かれている世界>
この世界にあるすべての形ある物は、様々な条件によってその形を成すことができている。
形あるものはそれ固有の個体としての実体はない。
なぜなら、それらは常に変化しているから実体を持たないのである。
我々のこの体でさえ、無数の条件・モノによって構成されているのだから、我々の感覚機能である、視覚・聴覚・収穫・味覚・触覚の五つの感覚すらも絶対的なモノではない。
そして、我々が現状態を認識できるということ(意識)もいくつもの条件から出来上がっていて我々の脳が次々と、さらなる「認識」という形で物事を「理解」へ向かわせている。
我々が起こす「迷い」というモノも、そういった意識が生み出しているのだから、本当は「迷い」という一つの心のモヤは、いくつもの条件の集合体なのである。
老いや、死の苦しみも実態としてのモノではなく、何故老いや死に対する苦しみを感じるのかというと、死や老いを受け入れられない我々が持つときに生じる「死や老いを苦しい」という心の錯覚が、その苦しみから逃れようとすることでさらに、苦しみを感じさせているのである。
全てのモノは変わり続けている。
その代わり続けている姿が本当の姿であり、このことをその身に受け入れることで、我々の心を縛っている”何か”を解き放つことができる。
そして、何物にもとらわれなくなった身体は、恐れを抱くことはない。
邪推も夢見を抱くこともなくなり、迷いというモノも消え、やがて心安らかになっていく。
そうすることができるようになれば、時代が変わっても自分はありのままを受け入れられるようになり、どんなに物事が変わっても、その中にある変わらない本質を見つけることができるようになる。
これを、智慧の教えを実践する言葉とする。
「私は悟りの岸に着いた。私によってほかの人も悟りの岸に着いた。こうして私の悟りは完成する。」
<般若心境に出てくる”智慧”とは>
「智」とは、物事をよく知り、わきまえているという意味があります。
「慧」には仏教語で物事の真実の姿を見極める力という深い意味があります。
「智慧(ちえ)」とは、”その本質を見抜き、本当の姿を見極めて考える力”という意味になります。
そして、この「智慧」のさす「本当の姿」を「空(くう)」であるとしました。
この「空」とは、全てのモノは、留まることはなく常なることはない、という意味です。
<もう一つのキーワード「縁」>
全てのモノは条件によって常に変化し、同じ状態ではないこと・・・これを諸行無常といいます。
形をなしているモノは様々な「縁」によって、一つの物体としてできています。
そして、新な「縁」によってその物体は別の物体へと変化し続けているのです。
これが、この変わり続ける宇宙における、変わることのない法則なのです。
・・・・・以上です。
縁というのは繋がりを意味します。
我々は、何かしらのつながりを持って生きている。
その中で、人は命を宿し新たな人を生み出している。
食物を体に取り入れることで体が作られていく。
このようにして、我々の身体は常に変化している。
どうでしたでしょうか、ワタクシの作成しました般若心境の心得・・ともうしましょうか、意味といいましょうか。
これを読んで、何かに気づかれる方がいらっしゃれば、ワタクシのした仕事は完成されます。
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ないてん第108話
ぬるいお茶。
会社というのは、いつでも、人の出入りのする場所でもあります。
それは、商品が、取引先の方や、時折お見えになる原料屋のおじさん、薬品関係の配達の方、運送業者の方、様々な方たちをつないでいるからです。
と、いうわけで、・・・。
先日(3月中旬ごろのことです)我がないてんにお客様がいらっしゃいました。
なんと、新しい顧客様になるかもしれない・・という可能性を秘めたありがたいお客様。
ある方のご紹介でいらした方で、我がないてんの和紙を使い、販路の新天地開拓のお話をお持ちになりお越しくださいました。
お客様がいらしたとき、ちょうどワタクシ事務所で経理のお仕事をしている最中でしたので、あわてて作業テーブルの上の書類などを片付けました。
そして、お客様を事務所にお通しして、バナナさんが来るまでお待ちいただくことにしました。
そうだ!お茶をお出しせねば・・・。
そう思いいつものように、給湯室へ行きお茶の準備をします。
お客様に、お茶をお出しするのもテン子さんの仕事なのだ。
・・・ふふふ。
どうです、テン子さんのこの守備範囲の広さ。
余談ですが、ワタクシ、製造から事務そして、先日デビューしたばかりの営業、あと、商品企画まで手広く行っておりますよ!
そして、お茶出し。
これも大事なテン子さんのお仕事の一つ。
やはりね、わざわざ足を運んでくださっているのでね、お客様には一服して一息ついて、気持ちをリラックスしていただくのがお茶くみテン子の目指すところです。
というわけで、いつものように電気ポットからお湯をだし、湯のみに入れたお茶の粉を溶かします(誠に申し訳ない、安物のお茶です。しかし!我々は、めいいっぱい気持ちを込めておりますので!!)。
あれ・・・・・?
電気ポットのランプがついていない?
でも、これ保温されているよな?
それに、お湯を入れた湯のみはあったかいし・・・。
だいじょうぶだろう・・。
そのまま、お客さまにそのお茶をお出しすることにしました。
再び事務所に戻りますと、お客様は、バナナさんと随分と熱心に話をされております。
ワタクシは、お客様にスッとお茶をお出ししその場を離れました。
そして、ワタクシはコーヒーを飲もうと電気ポットのある所へ行きインスタントのコーヒーを作りました。
ちょっとした一服です。
さてさて、いただきますかな。
ずずず・・・。
・・・・・・・・・ん?
ぬるい・・・。
コーヒーがぬるいのです。
テン子さん的にはぬるくて飲みやすかったのですが、ふと、一抹の不安がよぎります。
・・・さっきのお茶。
・・・・・・・・・・。
ぬるいお茶を出してしまったのでは。
・・・・・・・・・・。
・・・どうしよう。
・・・ぬるいお茶は、失礼に当たるのでは。
・・・どうしよう。
・・・お茶、取り替えるべきかな。
・・・どうしよう。
・・・どうしよう。
・・・どーーーーーーーーーーーーーしよーーーーーーーー!!!
取り替えるにしても、どのタイミングで入っていくべきか。
なんて言って取り換えるか・・・。
「お茶ぬるかったみたいなのでお取替えしまーす。」とか言うのか!?
いや、そもそも、暖かいお茶がお客様にとって良いとは限らないのでは・・・?
猫舌のテン子さんはぬるいお茶が飲みやすいし・・・。
またまた、ふと、あることが頭をよぎりました。
みなさまご存知、豊臣秀吉です。
彼は、懐にわらじを入れそれを、織田信長の足元に差し出し、あれよあれよという間に出世した前代未聞の出世王です。(ほんとかどうかは知りませんが・・。こういうのは、たまにでっち上げられた伝説なんてのがありますからな・・。義経美男子説しかり。)
豊臣秀吉は信長のことを考えた対応をしたのです。
だから・・・。
そうだ、今日は比較的寒い・・。
バナナさんとお客様は事務所から出て工場内を見学しておる。
これは、・・・チャンスか。
ワタクシは、お客様が事務所に戻るのを今か今かと待っておりました。
バナナさんは一通り工場内を案内をし、紙を見せお客様との話をしておりました。
そして、なにやら話しがひと段落したらしく、事務所に戻ってきました。
よし・・・。
意を決して心して。
お客様が席に着かれた瞬間、ここぞとばかりに古いお茶をひきます。
「すみません、さっきお出ししたお茶がぬるかったので・・。」
そういって沸かし直したお湯で入れたお茶をお出ししました。
お客様は、少々の苦笑いをしてくださいました。
失敗だったかな・・。
まあ、心持はこの湯のみにて伝えた。
ワタクシはすたすたと、事務所を出ていきました。
・・・うーん。
お茶・・今回は失敗したな。
次からは気をつけねば。
電気ポットもちゃんと確認せねばな。
ぬるいお茶を出す、教育の行き届いていない会社だと思われてはいかんし、何より、お客様には気持ちよくお仕事をしていただきたい。
ちょっとした気のゆるみが、ぬるいお茶を出すという大失態を引き起こしてしまうのだ。
しっかり、気を引き締めておかなければ!!
そろそろ、お客様は立たれたかな?
そう思い、事務所に入ってみますと、バナナさんと、お客様の姿はなくテーブルの上には、さっき出した空になった湯のみが置かれてありました。
全部飲んでくれている・・。
お客様は気を使って飲んでくれたのかもしれない。
しかし、気持ちは通じたに違いない。
そのように思うことにして、お茶には配慮をしようと心にとどめたのでした。
2019.4.9 このページのトップへ〜
ないてん第109話
バナナさんとスイカさんの長野・金沢出張の日。
この日は、ないてん、いつものメンバーより少なめで稼働しております。
というのも、バナナさんとスイカさんの出張で2人いないのです。
金曜・土曜を使って長野・金沢のお得意さんへあいさつ回りを兼ねた見聞を広めるための小旅行です。
これから先、世の中の動きをもっとよく知り、どこにどのような物流があるのか、そういったことを広く知る必要がある。
そうだ!もっと表に出て発信していかなければ!!
ジリリリリ・・・・・。
始業ベルが鳴ります。
ないてん”始動”です!!
というわけで、我々はその2人抜きでこの工場を稼働させるぞ!!
張り切って朝礼に向かいます。
リンゴさん:今日は、バナナさんとスイカさんが出張でいませんので、よろしくお願いします。
リンゴさんのあいさつが終わるとメンバーが次々と本日の予定を報告します。
報告が終わりそれぞれの持ち場に戻って各々の仕事にかかります。
・・・・・。
ふむ・・・。
ということは、っふ・・。
少々仕事がやりやすいですな。
では、さっそく、さらし作業からスタートしますかな!
この日は、午前中はスリッター、午後はビーター(原料の撹拌作業)に従事する充実っぷり。
もちろん、電話番もしておりますよ。
あの2人がいなくてもね、立派に電話対応してみせらい!
午前の作業時間はあっという間に過ぎていき、お昼休憩を知らせるベルが鳴りました。
いやいやテン子さん、午前の部、みごとにクリアしてみせましたよ。
この日は、ロール8本巻き上げました。
調子のよい時はもう少し巻けるのですが・・まあ、いろいろトラブルがあったりしますと、その処理で時間がかかってしまい巻ける本数も少なくなったりします。
さてさて、お昼ですのでね、休憩タイムといきますか。
スマホを持ち、会社の軽トラックのあるところへ向かいます。
お昼はこの軽トラの中でご飯を食べました(いつもは別の場所でご飯を食べたりお昼寝をしたりしております、はい。)。
そして、スマホのアラームをセットします。
(これから、お昼寝タイムに入るため、午後開始時間に間に合うようにタイマーをかけておくのだ。)
スチャッと、スマホの画面を開きます。
・・・・・おや?
ラインにメッセージが届いておるぞ・・。
バナナさんからだ。
”長野”そのメッセージの後に何枚もの写真が入っておりました。
まったく、・・・すっかり観光気分かい。
いったい長野に何しに行ったんだ!
写真のきれいな雪景色を見ていると、気持ちがふつふつと湧き上がってきます。
うらやましいぞ、くそっ!!
まったく、絵手紙の写真なんかとって!!
行った目的忘れてるんじゃないだろな!!
こっちはあんたらが抜けたせいで何かとイレギュラー発生でそこそこ忙しく動き回ってるっていうのに!!
まったく、まったく、・・・・・くそっ!
あーーーーーいいなぁ。
行ってみたい、長野。
長野・・白い雪。
ほかには何があるんだろうな・・。
うーん。
くそぉ・・・いつか行ってやる、長野、金沢、大阪、京都、北海道、名古屋、福岡!!
そして、後日バナナさんと、スイカさんが帰ってきました。
そして、長野・金沢で見聞きしてきたことなどの報告会議を行いました。
バナナさんたちは、お得意さんのところに行って商品を見せていただいたり、会社見学やらをさせていただいたそうです。
その中で、いろいろな気づきがあったことを話しておりました。
スイカさんは見てきたものにいたく感銘を受けておったようで、話したくてたまらない、という感情が表情に現れておりました。
今は、ネット時代だからもっと、ネット販売に力を入れなければ・・とか、我々の和紙がどこでどのように使われておるのかも見てきたなどなど・・・。
スイカさんは少々興奮気味で熱く語ります。
そして、お土産。
こちらが、後日バナナさんと、スイカさんに頂きましたお土産でございます。
ああ・・・良いなあ、長野、信州、金沢。
ゆめの続きのそのまた続き。
ゆめを”夢”で終わらすな!
いつかなあ、いつか全部行ってやらぁ!
(ちなみに東京はぼちぼち行っております・・。)
2019.4.9
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ないてん第110話
スイカさんのやる気のもと、キャラメル。
「ああ、アメあるで、あげる」
ニコニコしながらスイカさんはデスクに置いてあるアメ玉入れの小瓶に手を伸ばしました。
スイカさんの最近のおやつは飴玉なのだ。
スイカさんも好きだよね、お茶請け。
この前はおかきを弁当袋に入れておったし、チョコ菓子や、クッキーみたいなのとかよく持っていておるのだ。
というわけで、「アメ」といっておるが、これは、おそらくキャラメルのことだろうな・・。
うむ、最近のスイカさんのお茶請けはキャラメルなのだ。
何度か、おすそ分けいただいたからね。
はははぁ・・・。
キャラメル〜
キャラメル〜
スイカさんはあの小瓶からいくつかの小さな粒を取り出しました。
そして、その小さくてぽってりした手の中には・・・。
ほらな。
キャラメルだ!
スイカさんは最近はコーヒー味のキャラメルにハマっているのだ。
キャラメル。
口の中でゆっくりとろけていく甘さがたまんないのさ!!
スイカさん:農協のとはちょっと違うねぇ。
スーパーのは、コーヒーというよりは普通のキャラメルに近い。
今度、農協の買ってくるきね。
テン子:・・・・。(キャラメル、確かに、スーパーのはコーヒーの味が薄いような気がする。)
ワタクシはこくり。とうなずき、スイカさんがニコニコ顔で事務所を出ていくのを見ておりました。
スイカさんはコーヒー味のキャラメルをくれたらしい。
手の中のキャラメルはコーヒー味。
そう・・・。
この間の話。
晒し作業をしていると、スイカさんがコーヒー味のキャラメルをくれたのだ。
覚えておりますよ。
そのコーヒーキャラメルのコーヒーっぽかったこと。
あー、あのコーヒーキャラメルは旨かった・・・。
ワタクシの手の中のキャラメル・・。
さっそくいただきますかな。
包みを開け、口の中に放り込みます。
・・・やはり、この間もらったコーヒー味のキャラメルに比べこのキャラメルはコーヒーの味がないな。
・・・・・あれ?
ふとあることが頭をよぎります。
ないてんメンバースイカさんにしろ、バナナさんにしろ、イチゴさんにしろ、マンゴーさんにしろ・・・。
みんな甘いものが好きでよく買ってきて食べている。
そして、決まって、みんな仕事に対して、粘り強く丁寧だ。
・・・・・・・。
もしや・・・。
そのバイタリティーの源は甘いものにあるのでは?
・・・そうかもしれない。
マンゴーさんとはよく食べ物の話をします。
「どこどこの喫茶店のモーニングがおいしい」とか、「昨日蒸しパン作って食べた」とか、マンゴーさんはよく話してくれます。
それに、食べ物の話をするときなんかみんな幸せそうなんだよな・・。
リンゴさんも出張に行ったとき、お土産にお菓子を買ってきてくれるし、メロンさんだってちょこっとしたお菓子のおすそ分けをすると顔がほころんで喜んでくれるし。
”きゃらめる。”
この一粒があのないてんメンバーたちの力の源になっているのか・・。
そう思うとなんだかこのただの”キャラメル”が、一段上の”キャラメルさん”になったような気がします。
(・・・そんな気がしますよね!!)
まあ、その一粒のキャラメルさんのおかげでワタクシは、おすそ分けをいただけるわけです。
・・・うむ。
今週も今日で3人から甘いものをおすそ分けいただきましたしね!
バナナさんはチョコでしょ。
クッキーみたいなのもくれたし。
マンゴーさんからはチョコミルフィーユ。
そして、スイカさんのこの”キャラメルさん”。
甘いモノ様様ですな。
2019.4.15
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コラムの大広間へGO!